洋風の住まいが多くなった現代でも、風情が漂う和の空間はやっぱり素敵なものです。
とくにマイホームに「茶室」があると、家の格も上がった感じがします。
新築のマイホームやリフォームを検討中の人も、基本の間取りやルールを押さえておくと我が家らしい茶室の実現に役立つでしょう。
茶室の間取りには小間と広間がある!それぞれの特徴やルール
茶室は、4畳半以下の「小間(こま)」と4畳半以上の「広間(ひろま)」に大きく分かれます。
小間と広間には、それぞれの特徴やルールがあります。
<シンプルな空間で詫びた風情を感じる「小間」>
「小間」は「草庵風」とも呼ばれます。
千利休が草庵風を確立し、豊臣秀吉のためにわずか2畳のコンパクトな茶室を作ったのが小間の始まりとされています。
現代における一般的な小間の間取りは4畳半であり、丸太の柱や土壁などの天然素材を使うというルールがあります。
質素な空間を重んじる草庵風は、シンプルさが魅力と言えます。
<観賞と茶を一緒に楽しむような優雅さ「広間」>
一般的な広間の間取りは、4畳半以上~15畳くらいまでです。
広間は「書院風」とも呼ばれ、小間にない設えが加わります。
そのひとつに、付書院(つけしょいん)と呼ばれるスペースがあります。
付書院は床の間の脇にある張り出し棚と縁側沿いの開口部を指し、座敷飾りのために設けられています。
書院風の間取りには飾る空間が欠かせず、そのぶん小間よりも広くする必要があります。
さらに面取りした角柱を使用することで、格調の高さが感じられます。
茶室の間取りを考えるときに大切な「炉」や「にじり口」のルール
茶室では各畳に名前が付けられており、間取りと密接な関係があります。
たとえばにじり口(出入口)に面した「踏込畳」、主人が点前をする「点前畳」、主客が着座する「貴人畳」、他の客人が座る「客畳」、炉(湯を沸かすいろり)がある部分の「炉畳」などがあります。
間取りを決めるときに、炉やにじり口の配置も一緒に検討するのがポイントになります。
炉を作ることを「炉を切る」と言い、位置によって間取りが変わります。
炉の切り方は隅切や向切などの4種類があり、さらにそれぞれが本勝手と逆勝手に分かれるため、全部で8パターンになります。
隅切は点前畳の客側と離した部屋の隅に切り、向切は点前畳の客側に寄せて切るというルールです。
本勝手は亭主の右手に客が座り、逆勝手は亭主の左手に客が座る形です。
このように茶室は普通の部屋と異なる間取りになっていますが、現代では住まいの条件や火災防止の観点などから計画することも大切です。
たとえば床下を掘ることで本格的ないろりを作れますが、それが難しいときは「置き炉」という選択肢をとります。
炉そのものについても、古来通り火を使う炉と電気炉があります。
また、多くの茶室には正座で入るにじり口や亭主が出入りするための茶道口が設けられています。
にじり口や茶道口を設けたいときも、間取りと一緒に検討する必要があります。
まとめ
近年は本格的に茶道をたしなむ人だけでなく、おもてなし空間のひとつとしてカジュアルに茶室を活用する人も増えています。
住まいの条件や費用とも相談しながら、ルールだけに縛られず、自身が使いやすい我が家流の茶室を計画するのがおすすめです。
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